
まずは訪問して、お互いの“ものづくり”現場を知る。
先般、お客様をはじめ、関係各社の皆様にご報告の通り、今夏、株式会社サインアーテックは株式会社ジャパン・スリーブへの株式譲渡により、同社のグループ子会社として、新しい一歩を踏み出しました。
ジャパン・スリーブ社は、主に音楽・映像・ゲームといったエンターテインメント関連タイトルのメディア・パッケージ製作を主軸に、企画からデザインまでを一貫して手がける、この領域では国内を代表する総合印刷会社です。CD やブルーレイの限定盤や特別仕様ボックスなど、『色とかたちで「包む」をつくる』をコンセプトに、昭和38年の創業以来、高品質なパッケージ製品を世に送り出し続けている企業です。
一方のサインアーテックは、『色を操り、形にする力』を掲げ、最大5m幅の超大型インクジェットプリンターによる超大型プリントと、縫製・ウェルダーなどを組み合わせた印刷・加工を得意としています。屋外サイン、店頭POP、タペストリー、内装グラフィックなど、街やショップの“場の雰囲気”をつくる表現を日々お手伝いしています。
「オフセット印刷による高品質の大量生産」と「インクジェット印刷による小ロット多品種のオンデマンド生産」と取り扱う製品の性格は真逆の印象でも、「色」や「質感」、「世界観」をかたちにしてお届けするという意味では、広い意味では共通の目的、使命を持っていると言えるのではないでしょうか。
前段が長くなりましたが、早速、本題に入りましょう。
今回の相互工場訪問の目的はとてもシンプルでした。
まずはお互いの“ものづくりの現場”を知ること。
そして、実際にお互いの顔が見える環境で「こんなこと一緒にできそうだね」と対話するきっかけをつくること。
ここからは、その第一歩となった二つの工場訪問の様子をレポートしていきます。
パッケージ製作の現場をリアルに体感した日
11月上旬、当社社長や各部署の責任者を含む総勢12名で、静岡県島田市にあるジャパン・スリーブの「島田プロダクションセンター」を訪問しました。

島田市は首都圏と中京圏・関西圏の大体中央に位置し、近隣市町を含めてCD やブルーレイディスク製造などのディスクプレス工場や関連の物流機能が集積する、まさに“メディア・パッケージ一大拠点”エリアです。
島田プロダクションセンターは、印刷から加工、梱包、品質管理までを一気通貫で担い、工程間の移動距離を最小限に抑えたライン設計によって、リードタイムの短縮と安定した品質を両立していることなどを事前にご説明いただきました。

印象的だったのが、「良い製品を生み出すための3本柱」として挙げられていた考え方です。
- ①高性能な製造設備と自社メンテナンス力による“品質”
- ②整理整頓されたクリーンな“工場環境”、そして...
- ③地域全体で人材を育てる“人づくり”。
工場入口に続く通路脇のガラスケースには、CDやブルーレイディスクなどのジャケット、写真集、キャラクターグッズなど、(お見せしたくても絶対に許されない)お馴染みの有名アーティストや超人気アニメ作品のパッケージがずらりと並んでいます。あなたの推しの限定版ディスクも、実はココで作っているのかもしれませんよ!?
工場内に立ち入るには、必ず備え付けのエアシャワー室を通る必要があります。徹底した品質管理と温度管理が早速に瞠目されます。

中へ入ると、兎にも角にもまず、工場の大きさ!広さ!に圧倒されました...。敷地面積は32,204㎡(約9,742坪)、延床面積は14,891㎡(約4,505坪)を誇る壮大な生産施設は、巨大な迷路のような錯覚を起こします。当時のプレスリリース
そして、超巨大なオフセットUV印刷機が何台も配置され、ものすごい音量と目を見張るスピードで次々と用紙を送り出しています。

それとは対照的に、隣の区画では集中温湿度管理が徹底された自動立体倉庫で、まだ何も手を加えられていない真っ新な用紙が静かに待機しています。
印刷、加工、品質管理と工程順に進んでいくわけですが、各工程は個々に専用の区画で仕切られて管理されており、工程の途中で区画から区画へショートカットできるようになっている構造は、まるであの某北欧量販家具店さん(I○EA伝わりますよね?)のよう!!

ラミネート、折り加工、打ち抜き、貼り加工…と、さまざまな機械がフル稼働。各工程には検査スペースが設けられ、工程ごとに一枚一枚を丁寧に確認している様子が印象的です。
大手クライアントからの高水準の要求に応えるため、各工程でミスを限りなくゼロに近づけるよう、緻密な生産管理と品質管理が行われていることがよく分かりました。
サインアーテックは基本的に小ロットのインクジェット印刷が中心ですが、「大量生産の現場」に身を置くことで、ものづくりのスケール感や管理の考え方に感銘を受けた一日でした。
見えてきた共通点と相違点
島田プロダクションセンターを見学させていただいて、まず強く感じたことのひとつが、「色」へのこだわりです。

ジャパン・スリーブでは、『色とかたちで「包む」をつくる』を念頭に、東京本社と島田センターをつないで、どちらでも同じ色が再現できるよう、緻密なカラーマネジメントを行う仕組みがあります。キャラクターの髪の色がほんのわずかに違うだけでクレームとなってしまう世界だからこそ、色の管理は作品の価値を守る要なのです。
サインアーテックもまた、屋外サインや店頭POP、室内装飾などの色をいかに「イメージに近づけるか」に日々向き合っています。お客さまのブランドカラーや、店頭での見え方を意識しながら『色を操り、形にする力』を磨いてきました。
整理整頓された島田工場の現場を拝見して、さらに改善するべき要素がたくさん見えてきました。

オフセット印刷を中心とした大量生産ラインで、膨大なエンタメパッケージを高品質でつくり続けるジャパン・スリーブ。
小ロット・短納期に強く、1枚からでも大型出力に対応できるサインアーテック。
「似ているから分かり合える部分」と「違うからこそ刺激になる部分」。
その両方を体感できたことが、今回の島田訪問の一番の収穫だったように思います。
そして、島田プロダクションセンター訪問から1週間も経たないうちに、今度はジャパン・スリーブ東京本社 営業部と生産管理部の皆さま7名が、サインアーテック飯能本社工場に来社いただきました。
当社工場見学では、営業本部・総務本部・製造本部の各フロアをご案内し、その後、大型インクジェット出力機をはじめとした印刷エリア、カット・ミシン・ウェルダーなどの後加工エリア、その他の建物全体の設備をご覧いただき、皆さま興味津々で機械に見入っておられました。
見学のあとは、再び会議室に戻り、当社の制作事例スライドや印刷サンプルを交えながら意見交換の時間へ。
話は自然と「一緒にできそうなこと」の方向に広がっていきました。
ジャパン・スリーブの営業ご担当者さまからは、次のようなご意見をいただきました。
我々とは異なる分野なのもあり、初めて見るものが多かった。エンタメの仕事を広げていく中で、どのような仕事につなげていけるか検討していきたい。次回工場見学も他のメンバーで予定してるので、仕事の幅を広げていければと考えている。
現場の人間に工場に来てもらった方がわかりやすいと思う。私もぜひもう一度来たい!(笑)
我々が作っているものと、サインアーテックで作っているものは、良い意味でかなり違いはあるが、作っている製品にエンタメのものが多く含まれているため非常に親和性が高いと感じた。お互いの得意分野を補完しあえるよう、少しずつ協力できる領域を広げていければ嬉しい。
和やかな雰囲気の中にも、率直な質問やアイデアが飛び交い、「まずはお互いの現場を知る」という当初のシンプルな目標は、ひとまず達成できたように思います...。
お客さまにもっと“伝わる”表現をめざして
サインアーテックとジャパン・スリーブは、両社とも「お客さまの商品や作品の魅力を、よりよく伝える」ことを使命とするものづくりの会社です。
これまでお互いに培ってきた技術や知見を持ち寄ることで、今まで以上に“ものづくり”のシナジーが広がっていく可能性は高まります。

私たちは、これからも引き続きグループ全体で新しいチャレンジを続けて参ります。
新しく生まれ変わった私たちサインアーテックの今後の取り組みに、ぜひご期待ください!!
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