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「ナマステ飯能カレー祭り」メッツァ開催の舞台裏

「ナマステ飯能カレー祭り in メッツァ」当日の写真

─ サインアーテックは、今年も「置くだけラバー®」で協賛させていただきました!

森と湖に囲まれたメッツァビレッジ。前回のブログでは、この場所に佇む体験型現代美術館「ハイパーミュージアム飯能」を訪ねました。同じ湖畔に、今度はスパイスの香りが漂う一日が訪れました。

メッツァ特集の第二弾となる今回は、「ナマステ飯能カレー祭り in メッツァ」に、協賛させていただいたご縁で、地元企業・団体の地域への取り組みについて取材してきました。

お話を伺ったのは、ナマステ飯能実行委員会代表の緒方いずみ氏と、会場プロデュースを手掛ける株式会社ムーミン物語の野村洋之氏。お祭りの舞台裏で語られた、スパイシーな物語をどうぞお楽しみください。

協賛させていただいたの弊社オリジナルアイテム「POPコーン」と「置くだけラバー」の写真

昨年の「POPコーン®」に加えて、今年設置されたw2000×h1000サイズの「置くだけラバー®

本記事はインタビューの書き起こしをもとに、読みやすい形に整えています。

改めて実感。ナマステ飯能カレー祭りに求められていること

ナマステ飯能実行委員会代表 緒方いずみ氏(左)と(株)ムーミン物語 野村洋之氏(右)

ナマステ飯能実行委員会代表 緒方いずみ氏(左)と(株)ムーミン物語 野村洋之氏(右)

「お世辞」よりもありがたい、ファンからの「ダメ出し」

株式会社サインアーテック(以下、SA):
本日はお集まりいただきありがとうございます。イベント終了から2週間ほど経ちましたが、つい昨日のことのように感じますね。改めて今の率直なご感想をお聞かせください。

ナマステ飯能実行委員会代表 緒方いずみ氏(以下緒方氏):
ありがとうございます。イベントが終わってから、本当にありがたいことに、多くの方が私のお店(トルカリ ジュッティー)に感想を伝えに来てくださるんです。

しかも、お世辞だけではなく「ここはもっとこうした方がいい」といった具体的なダメ出しまでいただけて(笑)。そうやってわざわざ足を運んでフィードバックをくださることに、強い信頼関係とありがたみを感じています。

SA:ダメ出し、ですか(笑)。

緒方氏:そうなんです。「ここをもう少しこうしたら?」といった改善案ですね。運営側としては当日の強風を心配していましたが、お客さまからすれば「風なんてどうでもいい、そんなことより…」と、より本質的な楽しみ方を求めてくださっていました。

また、カレー好きの方々の中には今回初めてメッツァに来たという方も多く、新しい場所としての認知が広がったことも大きな収穫でした。

たくさんありすぎて、どれを食べるか選べないという贅沢

いざ!お目当てのキッチンカーを目指して。マーケットホール前のキッチンカーへ続く行列

いざ!お目当てのキッチンカーを目指して。マーケットホール前のキッチンカーへ続く行列

SA:来場されたのは、おもに地元の飯能エリアにお住まいの方たちだったのでしょうか。

緒方氏:はい。まさに地元の方たちでした。飯能市民の方たちにとって、この宮沢湖周辺は「中学時代のマラソン大会で走らされた苦しかった思い出の地」らしく、一種のトラウマになっている方もいたようです(笑)。

今回、美味しいカレーをきっかけに再訪したことで「久しぶりに来てみると、やっぱりここは良い場所だね!」と、思い出がポジティブに塗り替えられたというお声をいただけたのは嬉しかったですね。

強風対策にカラーコーンにかぶせたPOPコーン

強風対策に「カラーコーン+POPコーン®

ただ、キッチンカーのエリアとイベントやブースのエリアが離れた場所になってしまったため、「あっちとこっちに分かれずに、一か所でできなかったの?」という声は多く寄せられました。

運営としては当日の強風による安全面など、リスク管理に意識が向きすぎていた面もありましたが、「風なんて関係ない、もっと熱気のある密度が欲しいんだ!」と熱いお言葉をいただいて…。

キッチンカーの台数は決して少なくはなかったと思うのですが、今までのナマステ飯能が(出店数が)多すぎたのかもしれません(笑)。

SA:前回は何店舗くらい参加されていたのですか?

緒方氏:昨年はカレー店だけで一度に30店舗近くが集結し、お客さまは「どれを食べるか選べないーー!」という贅沢な悩みをエンタメとして楽しんでいたようです。

今回は(1日あたり)8店舗ほどでしたので、キッチンカーのレイアウトがすっきりしすぎてしまいました。「胃袋が足りなくなるような、あのカレーを選ばないといけない苦しみがナマステなんだ」というファンのみなさんの熱いこだわりを再認識したのです。

滞在時間のナゾ

数字には表れない「想定外の成功」の正体

株式会社ムーミン物語 マーケティング イベント企画チーム 野村洋之氏(以下野村氏):
来場者数は、初日と比較して2日目は大体倍くらいで、後半にかけて盛り上がりました。
目標としていた来場者数には届きませんでしたが、施設側の視点で見ると「想定外の成功」だったんですよ。実は、メッツァ内の既存店舗の売上が非常に好調でした。

SA:それは興味深いですね。要因は何だったのでしょうか。

この距離感だと、既存店舗の方にも足を延ばしやすいのかもしれません

この距離感だと、既存店舗の方にも足を延ばしやすいのかもしれません

野村氏:どうやらナマステのお客さまは滞在時間が非常に長く、カレーを楽しんだ後にお土産を買ったり、カフェを利用したりと施設内を回遊してくださったようなんです。さらに驚いたのは、2階のビュッフェレストラン(バイキングホール)の売上まで上がっていたことです。

SA:カレーを食べた後に、さらにビュッフェへ?

野村氏:いまだに謎の現象ですが(笑)、寒さを避けるためか、あるいはカレーをきっかけに食欲に火がついたのか…。施設全体にポジティブな経済効果が波及していたのは、非常に面白い結果でした。

救世主が現れた!

自腹で切り開いた再出発と、表現の手段としての「カレー」

SA:そもそも、このイベントがメッツァで開催されるに至った背景には、どのような経緯があったのでしょうか。

「まさかメッツァで開催できるなんて!」と驚く緒方氏

「まさかメッツァで開催できるなんて!」

緒方氏:きっかけは、2019年に開催された「飯能カレーフェスタ」で、列に並んでいた方から叱られるほど予想以上の大盛況のため、早々に完売してしまったことです。

しかし翌年以降はカレーフェスタは開催されず、補助金の活用を視野に入れるも条件が厳しく、一緒に準備を進めていた仲間たちも離れていってしまいました。

それでも中途半端に諦めたくなく、「お金の責任は全部私が持つから、とにかく一度やってみよう」と腹をくくり、2022年に再スタートを切ったのが
ナマステ飯能の始まりです。

SA:補助金も仲間もいない中で「一人でもやる」と決断させた情熱は、一体どこから湧いてきたのでしょうか。

緒方氏:実を言うと、私は最初からカレー屋になりたかったわけではないんです。カレーはあくまで「表現」のための手段でした。

原体験としては、中学生の頃「ナマステ・インディア」※1っていうイベントに通っていまして。それは私にとっての下地となりました。

その後、岡山県のネパール人ソサエティが運営していた、日本で日本人と一緒に音楽や踊りを楽しむイベントに参加させていただいた時に、「こんなにみんながパワーを発散して自由に歌ったり踊ったり、自己表現してる場所があるんだ」と感動しました。

「飯能でもこういう場所を作りたい!」という夢が先にありましたが、実際にイベントを行う原動力となったのは、この岡山県のネパール人のコミュニティだったのです。

日印で活躍中のシュブラ・ゴスワミ(Subhra Goswami)さん(中央)らの現代的なインド舞踊

日印で活躍中のシュブラ・ゴスワミ(Subhra Goswami)さん(中央)らの現代的なインド舞踊

常連客は救世主!?

緒方氏:飯能でイベントを続ける中で「もっと表現の幅を広げたい」と思っても、なかなか適した場所が見つからず、一時は「飯能市から出るしかないのかな」と諦めていました。

そんな時、私のお店のカウンターでいつも静かに、でも本当に美味しそうにカレーを食べてくださっていた常連さんがいた。それが野村さんだったんです。

多種多様なカレーと置くだけラバーのランチョンマット。もちろん、あっという間に完食

多種多様なカレーと置くだけラバー®のランチョンマット。もちろん、あっという間に完食

野村氏:私は、純粋に緒方さんのカレーのファンとして通っていました。ある日、カウンター越しに彼女が「飯能にはもう場所がない。外へ行くしかないかも…」と寂しそうに話しているのを耳にして。

本来、メッツァは北欧のライフスタイル体験施設ですが、「地方創生」「地域活性」っていう役割も担っているのです。全然違う地方からイベントだけやりに来た、という話だったら難しかったかもしれませんが、飯能・日高・入間エリアを中心とした地域の応援になるのなら、ぜひ力になりたいと思いました。

だから、気づいたらお会計の時に「もしよろしければ、メッツァでやりませんか?」とお声がけしていました。

緒方氏:イベントの規模も回を重ねるごとに大きくなってきたので、もし今回メッツァさんに場所を確保していただけなかったら、私はもう飯能を出ちゃおうかなと考えていたタイミングでした。

野村さんがまさに救世主のように飯能まで迎えに来てくれたんだと感じました。まさかメッツァさんでできるとは夢にも思っていなかったので、本当に救われる思いでした。

【脚注】

  1. ナマステ・インディア
    現在は場所を移転して、毎年秋に代々木公園イベント広場(東京都渋谷区)で開催される、日本最大級のインド文化交流イベント。1993年に始まり、インドの食、音楽、踊り、ヨガ、物販など、多角的にインド文化を紹介している。例年20万人規模の来場者を誇り、日本各地で開催されるインド関連イベントの先駆け的な存在。公式サイト:http://www.indofestival.com/

北欧民とカレー民

異なる世界観だからこそ生まれた、新たな発想

SA:今回のイベントでは、メッツァ内の既存店舗のみなさんもオリジナルカレーを考案されたとのことでしたが。

「みなさんの本気度には圧倒されました」と驚く野村氏

「みなさんの本気度には圧倒されました」

野村氏:メッツァという場所は「北欧」という非常に強いアイデンティティがある場所なので、そこに全く質の違うスパイス(カレー)という要素を、ブランドの世界観を壊さずにどう混ぜ合わせるか。メッツァスタッフとしては、そのバランスをどう取るかというのが自分の中では結構、大きな挑戦でした。

でも逆に、既存店舗のシェフたちに企画を伝えた時に、彼らが『それ面白そうじゃないですか!』と二つ返事で乗ってくれたのを見て、どんな化学反応が起きるのか施設スタッフとしてすごくワクワクしたし、楽しみでもあったんですよね。

普段からカレーがメニューにある店舗さんも、キッチンカーではないですけど、店内でナマステ飯能カレー祭りに出店という形で参加していただきました。全部で7店舗は参加していただいて、ミートボールカレーとか、かなり美味しかったですよ。

緒方氏:そういったアイデアもすごいし、本当にみなさんの「本気度」には圧倒されました!

野村氏:特に「nordics(ノルディクス)」のシェフは、イベント公式キャラクターの「カレーミン」をそのまま一皿に再現してしまったんです。

ナマステ飯能カレー祭りの公式キャラクター「カレーミン」を模したカレーミンカレー

ナマステ飯能カレー祭りの公式キャラクター「カレーミン」(左)と「カレーミンカレー」(右)

緒方氏:あれは驚きました! ご飯をカレーミンの形に整えて、アンテナの代わりにフライドポテトが刺さっていて(笑)。

異なる世界観だからこそ、固定観念に縛られない自由な遊び心が生まれたんだと思います。既存店舗さんがここまでナマステ飯能の世界観に寄り添ってくれたことが、成功の大きな要因でした。

はんのうYellow Weekでつながる

バラバラだった点と点が、一つのストーリーでつながる

SA:昨年と同様、「はんのうYellow Week」キャンペーンを構成するイベントのひとつとして参加されましたが、街との連携についてはどのような手応えがありましたか。

緒方氏:今回で3年目を迎えて、ようやくはんのうYellow Weekの盛り上がりとメッツァが一本の線でつながった、という強い実感が持てました。

LUUPに乗って市内のスポットを巡りつつ、スタンプを集めながらメッツァを目指してお宝もGET!

LUUPに乗って市内のスポットを巡りつつ、スタンプを集めながらメッツァを目指してお宝もGET!

これまでは、どうしても街の企画と施設のイベントが点在している印象でしたが、今年になって、街全体が「今は特別な期間なんだ」とデザインされていることで、バラバラだった点がだんだんつながり、一つのストーリーになっているような手応えがありました。

SA:駅前から湖畔まで、一本の線になったということですね。

緒方氏:そうなんです。駅の改札口や商店街に黄色い旗が並び、街全体が「今は特別な期間なんだ」とデザインされていることで、お客さまも自然に街と湖の間を回遊してくださった。バラバラだった点がつながり、一つのストーリーになった手応えは非常に大きかったです。

アプリでつながった、メッツァまでの新しい動線

野村氏:今回も西武鉄道さんの「公式アプリ」※2で、デジタルスタンプラリーが実施されました。飯能駅で下車してスタンプラリーのQRコードのある各スポットを経由しつつ、そこからバスやLUUPでメッツァへご来場いただくという新たな動線が形成されたようです。

通常、メッツァのお客さまの多くは車でのご来場ですが、この期間は公共交通機関を使って、街の息吹を感じながら歩いてきてくださる方も圧倒的に増えました。これは施設としても新しいツールの使い方の発見でしたね。

【脚注】

  1. 西武鉄道公式アプリ
    西武鉄道が提供するスマートフォン向けアプリ。列車のリアルタイム走行位置の確認や、駅周辺のクーポン、イベントに連動したデジタルスタンプラリー機能などを備える。本イベントでは「はんのうYellow Week」と連動した回遊施策に活用された。
    詳細ページ:https://www.seibuapp.jp/railways/seibulineapp/

スパイスは、人と人をつなぐ魔法

インド式の挨拶を行う緒方氏と野村氏

メッツァを起点に「わちゃわちゃ」と

SA:最後に、この記事を読んでいるみなさま、飯能・日高エリアにお住まいの方々へメッセージをお願いします。

野村氏:メッツァは北欧という入り口を持っていますが、本質的には地域のみなさんの「表現の場」でありたいと願っています。今回のナマステ飯能のように、緒方さんのような一人の情熱が形になり、やがて街を動かしていく。そんな光景をこれからもこの湖畔で作り続けたいのです。

「やりたいことがあるけれど場所がない」、あるいは「どう動けばいいかわからない」という企画をお持ちの方、またはこのエリアを中心として、入間、狭山、川越、秩父など、周辺地域にお住まいの方であれば、ぜひお声がけいただきたいですね。

緒方氏:私にとってスパイスとは、人と人をつなぐための「魔法」です。一人で始めた活動が、野村さんという救世主と出会い、多くの笑顔が生まれました。

飯能エリアには、まだ眠っている面白くて魅力あふれる場所が山ほどあります。来年も、再来年も、みなさんと一緒に「わちゃわちゃ」と楽しむ日を心から待ち望んでいます。ぜひ、お腹を空かせて遊びに来てください!

取材協力:
ナマステ飯能実行委員会|Instagram @jutticurry / X (旧Twitter) @saffronjutti55
株式会社ムーミン物語|https://metsa-hanno.com/metsa/

取材後記

前日まで天候はあいにくの雨。土曜日からの開催が危ぶまれましたが、時折強い風が吹くものの、とてもさわやかに晴れ渡った朝を迎えました。

開会式の写真:右から(株)ムーミン物語代表の望月潔氏、実行委員会代表の緒方氏、当社担当営業の鯨井。

右から(株)ムーミン物語代表の望月潔氏、実行委員会代表の緒方氏、当社担当営業の鯨井。

そんな晴れやかな空の下、当社も僭越ながら、お祭りのスタートを告げる開会式のテープカットに参列させていただきました。飯能に根差す企業として、地域の節目に立ち会えることは大きな喜びです。

対談の中で緒方氏が語られた「スパイスは人と人をつなぐ魔法」という言葉。当社のつくる製品もまた、地域の賑わいを形成する大切な一つのピースでありたいと願っています。

前回の「ハイパーミュージアム飯能」の取材に続き、ムーミンバレーパーク オフィシャル・サポーターとして、またひとつメッツァビレッジの魅力に触れる機会をいただきました。この湖畔には、まだまだものがたりが眠っているはずです。日々のものづくりを通して、またどこかでお届けできる日を楽しみにしています。

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