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インクジェットメディアのリサイクル RPFとは?

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リサイクルといえば何を思いうかべますか?

リサイクルショップや古着屋などではないでしょうか。

これはどちらかというと「リユース(再使用)」ですね。

リサイクル(再生利用)とは「誰かが使い終わったものをもう一度資源にもどし、製品を作るということです。

 

リユースに回されればまだいいですが、例えばアパレル業界では、売れ残った手つかずの新品がそのまま廃棄されているという問題が取りざたされています。

 

なんとその数、日本国内だけで年間10億枚!

 

廃棄物の焼却処分などによってCO2などの温室効果ガス排出にもつながりますので、アパレル業界もリサイクルするなどいろんな対策に乗り出しています。

 

では、インクジェット業界はどうでしょうか?

本記事ではインクジェット業界のリサイクルについて解説していきます。

インクジェット業界の現状

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【インクジェット業界とは】

インクジェット業界とはインクジェット出力を利用して製作するサイン・ディスプレイ業界の中のひとつで、広告業界の一角を担っています。

 

インクジェットとは、インクを吹き付けて印刷をする印刷方式です。

家庭用のインクジェットプリンターがまさにそれですが、サイン・ディスプレイ業界で使用されるインクジェットプリンターは家庭用とは比にならないくらいもっと大きいものです。

 

出力巾は最大で5mのものもあり、それを特殊なインクであらゆる生地に印刷して看板や店舗内装、販促品などで利用します。

【インクジェットで制作された商品の廃棄状況】

インクジェットで制作される商品はいろいろあります。

 

例えばお店のセール幕や飲食店入口にある店頭幕、展示会のバナーやイベントのブース装飾など多岐にわたります。

 

素材は主にターポリンや合成紙、ポリエステルなどで作られています。

これらの素材は通常の可燃ゴミでは出せず、「産業廃棄物」として処理されることになります。

 

例えば展示会で使用したバナーやパネルは展示会終了とともに概ね廃棄されますが、それらはほとんど産廃として焼却、或いは粉砕・埋め立て処理されます。

 

つまりインクジェットで制作される商品は、現状ほぼリサイクルされていないに等しいと言えます。

リサイクルには3つある

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ここでリサイクルについて簡単に説明します。

まず大きく分けて3つあります。

 

  1. マテリアルリサイクル
  2. ケミカルリサイクル
  3. サーマルリサイクル

 

それではひとつずつ解説していきましょう。

【マテリアルリサイクル】

マテリアルという言葉はよく聞きますが、「原材料」を意味する言葉です。

マテリアルリサイクルとは、文字通り廃棄物を製品原料として再利用するということです。

例えば身近なところでいうと「PETボトル」ですね。

 

最近は大企業もエコのリテラシーが高まってきて、使用済みPETボトルから新しいPETボトルを作ったり、繊維状にして衣類にしたりするメーカーもでてきています。

 

他には使用済み缶をつぶして溶かして固形化し、缶製造の原材料に再利用したりします。

こういった使用済みの「モノ」から新しい「モノ」へと作りかえるのがマテリアルリサイクルです。

【ケミカルリサイクル】

ケミカルリサイクルとは、使用済みの資源を化学反応により組成変換し原料に戻してからリサイクルすることです。

プラスチックを再び油化、ガス化して化学原料としたり、燃料油やコークス炉の化学燃料として再利用したり、他にも畜産糞尿のバイオガス化などがいい例です。

【サーマルリサイクル】

廃棄物を焼却した際に発生する熱をエネルギーとして回収し利用するのがサーマルリサイクルです。

サーマルとは英語で「熱」という意味で海外では「熱回収」や「エネルギー回収」といわれています。

分かりやすい例でいえば回収された熱エネルギーを利用して温泉施設や暖房設備の熱源として使用されます。

このように3種類のリサイクル方法があり、それぞれ特徴が微妙に違います。

なかには「これはケミカルリサイクルだろ」など人によって意見が異なりますが、大筋でこのような説明となります。

 

業界ごとにリサイクルの方法が変わると思うのですが、ではインクジェット業界ではどれが一番マッチするのでしょうか?

 

それはサーマルリサイクルです。

RPFでサーマルリサイクルとは

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廃プラをRPF化するとこんな感じです

【RPFとは】

RPFとは「Refuse Paper & Plastic Fuel」の略で主に産業廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙やプラスチック類を原料とした石炭に代わる高品位の固形燃料です。

発熱量は石炭並みで、しかも石炭よりも約33%のCO2排出量低減効果があります。

製造されたRPFは、石油や石炭の代わりとして使用されサーマルリサイクルします。

【RPFの7つの特徴】

RPFには次の7つの特徴があります

 

  1. 品質の安定
    発生履歴が明確な原料を利用しているため、品質が安定している。
  2. 高カロリー
    熱量が高いといわれている廃プラスチックを原料としているため、石炭やコークスなどの代替品として使用される
  3. 燃焼炉における排ガス対策が容易
    不純物混入が少ないため、塩素ガスでボイラーなどの腐食やダイオキシンの発生がほとんどない。また硫黄ガスの発生も少なく排ガス処理が容易
  4. 熱量の変更が可能
    ボイラー等のスペックに応じ、古紙と廃プラスチックの配合比率を変えるだけで熱 量をコントロールできる
  5. 輸送効率や貯蔵性にも優れている
    RPFは固形で密度が高いため利便性が高い
  6. 他の燃料と比較して経済性に優れている
    価格が現状で石炭の1/4~1/3という定価価格。また灰化率が石炭の1/3以下となるため灰処理費が削減できる
  7. 地球にやさしい
    総合エネルギー効率の向上と化石燃料の削減によりCO2削減

また本来最終処分される廃棄物の中からエネルギー資源を取り出すということで、埋め立ての処分量を削減できるため地球環境にも貢献。

 

※参考:限りある資源を有効活用 古紙・廃プラスチックを再資源化|一般社団法人 日本RPF工業会 https://www.jrpf.gr.jp/rpf-1

【RPF化に適した素材】

ではインクジェット業界でどのようにRPFサーマルリサイクルを実現するかというと

 

廃棄するインクジェットメディアをRPF化する

 

です。

 

つまりターポリンや塩ビシート、パネルなどインクジェット業界で使用された商品を回収し、然るべく手順でRPF化させ石炭などの代替品としてサーマルリサイクルするという方法です。

 

ただしなんでもかんでもRPF化できるわけではありません。

条件のひとつに「塩素がある一定以上含まれるものはRPF化できない」とあります。

 

塩素が含まれている物を焼却処分すると塩素ガスが発生し、ボイラー自体の壁面を侵食、劣化させてしまいます。

また焼却時に発生する熱量を抑えてしまう性質もある為、熱回収の邪魔にもなってしまいます。

 

つまり塩素濃度が高いRPFは、使用する業者に好まれないだけでなく、サーマルリサイクルの達成にもならないという事が言えます。

 

これまでサイン業界で大量に消費してきたターポリン、塩ビシートなどは塩素が大量に含まれておりRPF化には不向きです。

もっと言ってしまえば、ターポリンや塩ビシートなどの塩ビ製品はサーマルリサイクル出来ないと言えます。

 

だとすると塩素を含まない製品であれば、RPFに適しているのではないでしょうか?

例えばPET、PP、PE、ポリエステルなどです。

RPF化できるインクジェットメディア

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下記は当社で調べたRPF化できるインクジェットメディアの一覧です。

 

PETボトルクロス
100%リサイクルポリエステルを使用したグリーン購入法適合品
eco遮光スエード
両面印刷可能なリサイクル繊維50%以上しているエコマーク商品
ecoトロマット
植物由来ポリエステル繊維を45%以上使用しているエコマーク商品
遮光ecoファブリック
PVC・可塑剤フリーの環境負荷を軽減した遮光ファブリック
LIMEX
石灰石を主原料とし紙やプラスチックの代替となりうる素材
NOALX
PVCフリーでアルミ複合板と同様の施工方法ができるシート
ecoボード
100%紙製パルプ材のボード。スチレンボードやアルミ複合板の代替品

まとめ

インクジェットメディアのリサイクルとして「RPF サーマルリサイクル」をとりあげました。

RPFとは

  • 石炭に代わる固形燃料である
  • 石炭よりも約33%のCO2排出量低減効果がある
  • 塩素を含まないインクジェットメディアはRPF化できるものがある

インクジェット業界で長年使用され続けてきたメディアやパネルはPVC製品が非常によく使われていましたが、RPF化できる製品に変えるだけでサーマルリサイクルできそうですね。

企業側もESG投資などの観点から環境負荷の少ないものを使用する時代がきたのです。

今後はインクジェット業界でもリサイクルにこだわっていかなくてはなりませんね。

 


 

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