ウィンドウサインとは、店舗の窓や入口などのガラス面を活用した広告を指します。
ウィンドウサインは、ガラス面に貼る素材によって様々な効果の違いがあります。
また、一口にウィンドウサインといっても、インクジェットシートのものと、カッティングシートのものがあります。
この記事では、そもそもウィンドウサインとはどんなものなのか、種類や効果などを解説いたします。
ウィンドウサインとは、商業施設や店舗の窓ガラスに広告物などを貼って通行人に訴求する看板のひとつです。
ウィンドウサインは、店舗の名前や商品をアピールしたり、特売やイベントを告知したりする際に利用されます。
また、ウィンドウサインには、デザインやキャッチコピー次第で、建物や街を歩いている人を店舗へ誘導する効果があります。
商業施設や店舗の窓ガラス以外でも、タクシーや、バスの窓ガラスに貼ってある広告もウィンドウサインです。
さらには、広告だけではなく、ショーケースやショーウィンドウのガラスに施されている装飾もウィンドウサインといえます。
だけど、よく見ると文字だけだったり、写真だったり、いろいろありますね。
次の章では、デザインによって変わる2つの種類を解説していきたいと思います。
カッティングシート
カッティングシートは、マーキングフィルムという糊が付いたビニールシートをカットして、窓に貼っていくものです。
色の種類は豊富で、illustratorなどで作ったデータをカッティングマシーンで切って作ります。
特徴としては、文字や模様、簡単なイラストなどに向いています。
また、屋外長期用や屋内短期用など耐久性でも選ぶことができます。
一方で、カッティングシートは単色の色の組み合わせなので、写真やグラデーションなどのデザインには不向きです。
カッティングシートの例
インクジェットシート
インクジェットシートは、インクジェット出力機を使い、カッティングシートで表現できないグラデーションや写真などを貼るタイプのものです。
具体的には、illustratorやPhotoshopで作ったデータを塩ビタックという糊付きのビニールシートに印刷し、印刷面にラミネートをするのが一般的です。
また、ラミネートには、紫外線での色あせを防いだり、雨からインクを守ったりする効果があります。
一方で、インクジェットシートは、数種類のインク色の掛け合わせで色を表現しますので、特色(蛍光色やメタリック色など)には不向きです。
以上が、カッティングシートタイプとインクジェットシートタイプの特徴と違いになります。
インクジェットシートの例
営業時間などの情報発信
1つ目は、営業時間などの情報発信が目的の場合です。
来店時に、開店しているか、否かがわからないときがありますね。
その場合、来店者向けに営業時間を入口のガラスに掲載します。
このようなウィンドウサインは、お店だけではなく、歯医者さんや病院などでも多く利用されています。
また、営業時間だけではなく、業務内容や、注意事項なども掲載する場合もあります。
ただし、情報が多すぎると逆に訴求しなくなる場合がありますので注意しましょう。
お店や商品のアピール・イベント告知など
2つ目は、お店や商品のアピールやイベント告知が目的の場合です。
ウィンドウサインの多くは、お店や商品の認知アップのために使われます。
新商品や特売、イベントの告知など、顧客に一番訴求したい情報を掲載します。
また最近では、「詳しい情報はスマホで確認してください」のようなQRコードの掲示も多くなってきました。
上記のような情報発信に使用されることが多いですが、心に刺さるキャッチコピーやデザインを心がけることも大切です。
ガラス装飾
3つ目は、ガラスの装飾が目的の場合です。
お店のショーウィンドウなど、商品を引き立たせるためにウィンドウサインで装飾することがあります。
カッティングシートできれいなデザイン模様を施したり、インクジェットシートを切り抜いて装飾したりと様々な手法があります。
ショーウィンドウにマネキンが素敵な洋服を着ているだけでは、目につかない人もいるでしょう。
その場合、マネキンの周りにディスプレイ装飾をすることが多いですが、ショーウィンドウのガラスに目立つウィンドウサインを施すと、奥行き感や立体感が出て効果的です。
一度目がいって気になる人は、マネキンの着ている商品をじっくりと見る、で購買につながる。
という効果もウィンドウサインにはあります。
街でたまたま見かけたウィンドウサイン
また、店内を見えなくさせるグラフィックのウィンドウサインもあります。
こちらの説明は、次の章で説明いたします。
以上が、ウィンドウサインを貼ることの目的となります。
ウィンドウサインの窓ガラスを有効に使う5つの方法とは?
ウィンドウサインの製作には、様々な方法があります。
それは効果や目的に合わせて考えていく必要があります。
ここでは、その主な5つの方法を解説していきます。
ウィンドウのおもてからシートを貼って訴求する方法
窓ガラスのおもてから塩ビタックを貼る一般的な方法です。
通常は塩ビタックの糊面が白い素材を使用します。
ただし、すでに何か貼ってある状態で上貼りする場合は、下地の色が透けないように遮光性のあるグレーの糊面素材を使用します。
ウィンドウを電飾看板風な効果にする方法
日中はもとより、夜でも訴求したい場合の方法です。
例えば夜に営業しているお店の場合、店内の明かりを利用してウィンドウサインを目立たせることができます。
半透明で乳半色の塩ビタックは光を通すので、店内の光を拡散して印刷面を光らせる効果があります。
昼間
夜(部屋の明かりで内照)
ウィンドウの内外両方ともに訴求させる方法
窓ガラスの内と外の両方に訴求したい場合の方法です。
簡単なのは、両面に塩ビタックを貼ってしまえば完成ですが、建物の高所など外からは簡単に貼れない場合があります。
その場合、内側から貼って外にも内側にもデザインが見えるように製作します。
当社の「グッディR」という製品が、この使用に利用されています。
外側
内側
ウィンドウの透明ガラスを部分的に活かす方法
窓ガラス部分の透明部分を活かしたい場合、ひとつのやり方としてはカッティングシートを利用するといいでしょう。
ただ、カッティングシートではできないデザインの場合は、インクジェットシートを使うことになります。
この場合のインクジェットシートは透明塩ビを使用します。
インクの乗っていないところは透明のままなので、窓ガラス全面に貼っても透明部分を活かすことができます。
当社の透明塩ビは、「超高透明塩ビ」ですので、よりガラスの透明度が増します。
店内をグラフィックで見えなくさせる方法
道路に面した喫茶店などの路面店では、「外から店内を隠したい!」、かつ「店内からは外を見えるようにしたい!」というご要望をいただくこともあります。
そのような要望に最適なウィンドウサイン製品もあります。
その製品は、外からはデザインが見えて、且つ店内が見えず、店内からは外の景色が見えるワンウェイという特殊な塩ビタックです。
特徴は、塩ビタックの全面に空いているとても小さな穴です。
非常に小さい穴なので、表面にインクジェットでプリントしても意匠に影響はありません。
また、穴が小さいので外からは店内は見えません。
屋外(左側の窓に貼り付けてあります)
屋内(右側の窓に貼り付けてあります)
屋外から穴が見えるところまで寄った写真
屋内から穴が見えるところまで寄った写真
さらに、ワンウェイのガラスに貼るほうの糊面は真っ黒です。
一見、圧迫感があるように思われますが、無数の小さい穴から外が見えますので、それほどストレスは感じません。
タクシーや、バスのウィンドウサインにもよく貼られています。
以上、ウィンドウサインを有効に使う5つの方法を解説いたしました。
飛散防止フィルムの確認
窓ガラスによっては、飛散防止フィルムが貼ってあるものがあります。
これは、万が一窓が割れた場合、破片が飛びちらないようにするためです。
この飛散防止フィルムが貼ってあると、ウィンドウサインを貼っても剥がれてくることがあります。
せっかく作っても、いざ貼ろうとして付かないで剥がれてしまうと元もこうもないです。
では、飛散防止フィルムが貼ってあるかないか、どのように見分けるのでしょうか?
一番簡単なのは、ガラスの端のほうをカッターで刃を入れてみましょう。
フィルムが貼ってあると線状にキズが入ります。
対してガラスのままだとカッターで軽くなぞってもキズはつきません。
ぜひ製作する前に確認しましょう。
景観条例の確認
地域によっては、ウィンドウサインでも景観条例にひっかかる場合があります。
特に観光地では、色やサイズに制限があったり、設置場所、設置方法が厳しく規制されていたりするところがありますので、事前に確認することをお勧めします。
また、景観条例の届け出先は、区市町村の景観行政団体になりますので、それぞれの区市町村にお問い合わせください。
ガラスが割れる
まれにウィンドウサインを施したガラスが割れることがあります。
これは様々な要因でおこります。
ひとつはガラスと塩ビタックの伸縮率が違うためです。
ガラスも塩ビタックも日光などの熱で伸縮します。
その伸縮の歪みで割れることがあります。
次にガラス前面にウィンドウサインを施してしまい、日光の熱が逃げず、結果ガラスが割れる場合があります。
ガラスのままだと光は通り過ぎますが、ウィンドウサインのシートが光りを遮断してしまい、ガラスに熱がこもることが原因です。
対策としては、日当たりのいい南側のガラスを避け、北側などのなるべく日光が当たらないガラスを選ぶことです。
それから、黒など色が濃いウィンドウサインでは、ガラスが熱を吸収しやすいため、割れやすくなります。
白など明るい色に変更することも対策のひとつです。
また、ワイヤーが入った網入りガラスは、熱を帯びやすく割れやすいのでウィンドウサインには適しません。
ウィンドウサインの施工方法
ウィンドウサインの施工は、一般の方にはなかなか難しいです。
一般的なウィンドウサインの貼り方は、カッティングシートとインクジェットシートのどちらも「水貼り」という方法で貼ります。
中性洗剤を薄めた水とスキージという道具を使って貼っていきます。
これは、ガラスと糊の間に気泡(空気)が入るのを防ぐためです。
一般の方でも、簡単なものであれば貼れるかもしれませんが、プロの職人に頼むほうが失敗しないでしょう。
以下は貼り方の手順です。
1. ウィンドウサインを貼る対象のガラス面を綺麗に掃除する
2. 中性洗剤を混ぜた水を霧吹きでガラス面に吹きかける
3. 貼り出しの部分の離型紙を少し剥がす
4. 位置合わせをして、位置が決まったら離型紙を剥がしたところをスキージで貼る
5. 離型紙を剥がしながら、水を糊面にも吹きかけ気泡が入らないように慎重に貼っていく
6. 最後に余ったところを切り落として完成!
7. 完成です!
ウィンドウサインとは?種類と効果のまとめ
それではまとめです。
ウィンドウサインとは、窓ガラスを活用した装飾や宣伝に活用される看板の1種です。
ウィンドウサインのデザインによってカッティングシートとインクジェットシートを使い分けなければなりません。
ウィンドウサインは、目的と効果をよく考えて素材を選ぶとよいでしょう。
また、すべての窓ガラスにウィンドウサインが貼れるわけではないため、施工前の確認が重要です。
もし、ウィンドウサインの活用を検討しており、少しでも悩まれているようでしたら、当社へご遠慮なくお問い合わせください。
ウィンドウサインの施工は一般の方では難しいと言いましたが、簡単に貼れる製品もあります。
最後におまけでこちらを紹介します。^^
おまけ だれでも貼れるウィンドウサインとは?
ウィンドウサインは、先述したように「水貼り」をしなければいけないので、一般の方では難しいと述べましたが、当社では、「だれでも簡単に貼れるシート」をいくつか用意してあります。
そのうちの人気の4つをご紹介します。
クイックピット

インクジェット用吸着合成紙。
糊を使っておらず、吸着でガラスに貼れます。
貼りミスがあっても剥がして何度で貼り替えられます。
クイックピットC(クリア)

インクジェット用吸着透明PET。
ガラスの透明を生かしたデザインに向いています。
クイックピットCD(クリアドット)

クリアドットCのドット糊版。
吸着ターポリン

インクジェット用の吸着がついたビニール製の生地。
クイックピット同様、糊ではなく吸着でガラスにつきます。
クイックピットと違って生地が厚いので、凹凸のある壁紙にも貼ることができます。
以上です。
いずれも屋内使用推奨となりますので、ご注意ください。
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